- スラーが続く中でも、親指は常に「次の音の位置」を先に考えて準備する
- 最初のドのキーは、付いている場合は次のミやAへ移りやすい側を選ぶと滑らかにつながる
- 低音域を離れて高い音へ行く箇所は、スラーが切れているのでキーをタップして発音を明瞭にする
- 4つ2つのスラーに変化しても、3拍子の重心(どこに軸があるか)を崩さない
- 最後は無理に決めず、ロングトーンのように息を吹き込み「収まる形」で終える
ファゴットのエチュードでスラーが長く続くと、指も息も「今の音」だけに意識が寄りがちです。このレッスンでは、ワイセンボーン1番を例に、親指の動きは“次の音”から逆算すること、スラーが切れる箇所はタップで明瞭にすること、そして3拍子の重心を意識して後押ししないことがポイントとして語られています。
親指の動きの概念:ファゴットは「次の音」から逆算する
難しく感じる原因は、最初から押さえる場所が多く、親指が“追いかける”動きになりやすいことです。逆に、次の音の親指位置を先に考えておくと、指の移動が滑らかになり、スラーの中での発音の不安も減ります。
体感の作り方:タップと重心で表情を崩さない
スラーが切れる場面(高い音に入る箇所など)では、キーを必ずタップして発音の輪郭を作ります。また、スラーのまとまりが変化しても、3拍子の中で重心がどこにあるかを意識し続けると、後ろの音にアクセントが付いたり、後押しで重たくなるのを防げます。
原因と対策
- ステップ1:親指だけを取り出し、次の音の位置を先に想像しながらゆっくり動かす
- ステップ2:最初のドのキーは、次のミやAに移りやすい側を選ぶ(付いている場合)
- ステップ3:高い音に入る箇所など、スラーが切れる場面ではキーをタップして発音を明瞭にする
- ステップ4:4つ2つのスラーに変わる部分は、3拍子の重心を口で数えながら練習する
- ステップ5:最後はロングトーンのつもりで息を入れ、収まる形で終える
途中からクレッシェンド/デクレッシェンドが印刷で出てくる箇所は、音の上下に任せるだけでなく、記号がある場所でよりくっきり表情を付けることが示されています。また、繰り返しの少し前からアーティキュレーションが変化しても、重心の置き方は変えないことが大切です。音符のまとまりが変わった瞬間に“舌の強さ”で処理しないで、拍の軸を先に決めて息で運ぶと、スラーの滑らかさが保たれます。
さらに繰り返し後は臨時記号が増え、半音で動く可愛らしいフレーズが出てきます。ここは勢いで押し切るのではなく、少し跳ねるニュアンスを足して、それまでの長いスラー部分との対比でメリハリを作ります。ただし、この“跳ね”も後押しではなく、3拍子の重心の上で自然に弾む程度に留めるのがポイントです。
終盤では「ここはブリッと吹きたくなる」という気持ちが出やすい箇所もありますが、そこに強い記号が無いなら、しっかり収める形でまとめるのが音楽的です。急に抜いて終わらせるのではなく、ロングトーンのように息を“吹き込む”感覚で最後まで線を保つと、収まりが良くなります。
ワイセンボーン1番を滑らかに仕上げるには、親指は次の音から逆算し、スラーが切れる箇所はタップで輪郭を作り、3拍子の重心を崩さないことが大切です。細部を“頑張って決める”より、準備と重心で自然に収まる流れを作ることで、ファゴットらしい表情が出しやすくなります。