- クラリネットのエチュード「座右の銘」は、クラリネットの苦手なところを集中して練習できる優れた教材
- トリル練習では、指が離れないように、できるだけ近い場所で、押す瞬間がソフトになるように意識する
- 音が完全に繋がって聞こえるように、音の間と間がグリッサンドで繋がっているくらいの滑らかさを目指す
- 小指のコントロールを意識しながら、ゆっくりと練習を重ねることが重要
- 急がば回れということわざのように、時間をかけてじっくりと取り組むことが上達への近道
クラリネットのエチュード「座右の銘」は、ポール・ジャンジャンが書いた教則本で、日本語訳がある優れた練習曲です。このエチュードは、クラリネット奏者の多くが高校生の頃から、やらなかった日は両手に収まるぐらい、つまりほぼ毎日音出しがてらやっているようなエチュードとして親しまれています。特徴としては、クラリネットの苦手なところを集中して、ある意味クラリネット奏者をいじめにかかってくるような教則本ではあるのですが、むしろそれを快感に思いながら毎日やることで、敵対勢力を乗り越えて仲良くなってしまうような、そんな現象が起こります。
トリル練習の基本
クラリネットのエチュード「座右の銘」の最初のセクションは、スペシャルトレイと呼ばれる部分で、16分音符いっぱいで大変そうに見えますが、やっていることとしては非常に単純です。最初に超二度のトリルがあって、次に単二度があって、また超二度、次に超二度、上から、またそれの繰り返しをやるというパターンです。それが半音ずつ音が上がっていくだけで、見た目ほど大変なことは書いてありません。16分音符はたくさんありますが、見た目でちょっとやめとこうかなとならずに、ぜひチャレンジしてもらえればと思います。
トリル練習のコツ
クラリネットのトリル練習において、常に気をつけている方法は、まず指が離れないように、できるだけ近い場所で、かつ近いだけじゃなくて、押す瞬間がソフトになるように、音が完全に繋がって聞こえるようにということを意識しながらやります。音で出すと、大げさにやると、音の間と間がもはやグリッサンドでちょっと繋がっちゃっているんじゃないかぐらいの滑らかさが出るように、ここで特にこの小指のコントロールを意識しながらやります。ゆっくりと練習するときこそ、この指の動きに気をつけて、吸い付くように動かせるようになるといいと思います。
練習のステップ
- まずゆっくりと練習する。指の動きに気をつけながら、音が完全に繋がるように意識する
- 指が離れないように、できるだけ近い場所で押す。近いだけではなく、押す瞬間がソフトになるようにする
- 小指のコントロールを意識する。特に小指の動きに注意を払いながら練習を重ねる
- 音の間と間がグリッサンドで繋がっているくらいの滑らかさを目指す
- 最終的には目標のテンポで演奏できるようにする。普通に交互にやるのではなく、下のソフラットの指を押さえたままラーフラットの指をやるなど、効率的な指使いを身につける
- トリルキーを活用する。3ページ目の5段目では、レシャープのトリルキーを押しながらミレミレとやると早くできる
- サイドキーを活用する。ファのときにトリルキーを押したまま、ソフラットとファのトリルをきれいに演奏する
- 時間をかけてじっくりと取り組む。急がば回れという意識で、毎日しっかりと練習する
高度なトリル技法
クラリネットのトリル練習では、より高度な技法も活用できます。例えば、4ページ目の3段目くらいからは、だんだんクラリネットの指が難しくなってきます。難しいのですが、あまり大きく動かしてしまうと、早く動かすときに障害が出てきてしまうので、なるべく効率のいい指を探しましょう。ラのキーを押すときのいい形の指というのは、全部押してシの音を出してから、人差し指だけ動かしてラを押すという形が一番効率のいい形ですので、ここの形をなるだけ意識して、この位置でやるときもやりましょう。また、開放の辺りになってくると、クラリネットの音は絶対高くなってきますから、曲中で使うための練習としても、右手を2つもしくは3つ押しながら左手を練習するというのも、ここで癖をつけておくと良いと思います。
クラリネットのエチュード「座右の銘」におけるトリル練習は、非常に地味な練習ですが、一番重要だと多くの奏者が感じています。地味なんですが、急がば回れということわざがあるように、近道しようとすると、大抵の物事はうまくいきません。やはり近道しようとしすぎると、実は遠回りになってしまう、こういうことはよくあります。ですので、皆さん時間をかけて、じっくりとこういう練習にも取り組んでもらえたらと思います。