- タンギングは音を止めるものではなく、息の流れに舌で切り込みを入れて音を区切る技術である
- 発音は「チュ」を基本形とし、タやトではなく舌の先でコンパクトに発音することで、余計な舌の動きを防ぐ
- タンギングの練習ではスラーなどのアーティキュレーションと組み合わせて練習することで、息と舌のバランスを整える
- ロングトーンをしているところに舌で切り込みを入れるというイメージを持ち、音を止めずに連続した息の流れを維持する
トランペット演奏において、タンギングは多くの奏者にとって基本的な技術でありながら、その本質を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。タンギングという言葉から「音を止める」というイメージを持ちがちですが、実際には音を止めるのではなく、息の流れに舌で切り込みを入れて音を区切るという技術です。この概念を正しく理解することで、スムーズで美しいタンギングが可能になります。本記事では、タンギングの正しい概念から、効果的な発音方法、そして実践的な練習アプローチまで、概念から体感へと落とし込む方法を詳しく解説します。
タンギングの本質:音を止めない、息に切り込みを入れる
タンギングにおいて最も重要な概念は、音を止めないということです。多くの奏者がタンギングを「音を止める技術」と誤解していますが、実際には基本は息であり、そこに舌で切り込みを入れて音を区切るというイメージが正しい理解です。
誤ったタンギングでは、一つ一つの音を止めながら演奏してしまい、息が止まっては出て、止まっては出てという不自然な状態になってしまいます。これではスムーズなタンギングは実現できません。正しいタンギングでは、ロングトーンをしているところに舌で切り込みを入れるというイメージを持ち、音を止めずに連続した息の流れを維持します。
発音「チュ」の推奨:コンパクトでストレスフリーなタンギング
タンギングの発音については様々な意見がありますが、「チュ」を基本形として推奨します。なぜ「チュ」なのか、その理由を説明します。
「タ」や「ト」でタンギングをする場合、前歯の後ろに舌がついていて、それを離すことによって発音します。この方法では、舌の触れる面積が大きく、動きもバタバタしてしまい、余計な舌の動きにつながってしまいます。
一方、「チュ」の場合、よりコンパクトになって、舌の先でストレスフリーに発音することができます。舌の先だけを使うことで、余計な動きを最小限に抑え、スムーズなタンギングを実現できます。
「チュ」を基本形とすると、音の工程に合わせてシラブルが関わってきます。例えば、母音がアだとチャ、エだとチェ、イだとチのように発音が変わってきます。このように、基本形を「チュ」として、音の工程に応じて発音を調整していくことが重要です。
原因と対策
タンギングが上手くいかない原因と、その対策について詳しく解説します。音を止めてしまう、舌だけに意識が集中してしまう、息の流れが途切れてしまうといった問題を解決するための具体的なアプローチを紹介します。
問題1:音を止めてしまうタンギング
音を止めてしまうタンギングは、息が止まっては出て、止まっては出てという不自然な状態を生み出します。これではスムーズなタンギングは実現できません。
対策:ロングトーンをしているところに舌で切り込みを入れるというイメージを持ちます。同じ音を伸ばしている間に、舌で切り込みを入れることで、音を止めずに連続した息の流れを維持します。例えば、Bの音を伸ばしている間に、舌で切り込みを入れることで、スムーズなタンギングを実現できます。
問題2:舌だけに意識が集中してしまう
タンギングの練習をすると、舌だけに気を取られてしまい、余計な力が入って一向に上達しないという問題が発生します。
対策:スラーなどの様々なアーティキュレーションとセットで練習します。例えば、基本的なタンギングの練習として、同じ音の「タタタタタ」という練習がありますが、まずはスラーで全部やってみることが重要です。スラーでやっていることをしっかり頭に入れて、基本的には息が基本でそこに舌で切り込みを入れます。
問題3:息の流れが途切れてしまう
タンギングを入れると、どうしても息が止まってしまうという問題が発生します。ブチブチと切れてしまう状態では、綺麗なタンギングは実現できません。
対策:スラーで全部やってみることで、息をまっすぐ吹ける状態を作ります。その後、タンギングを入れてみることで、息が基本でそこに舌で切り込みを入れるという正しいイメージを実現できます。タンギングもレガートにしてみる、スタッカートにしてみる、スラーにスタッカートを混ぜてやってみるなど、いろいろなアーティキュレーションとセットで練習することで、息も舌も考えて吹けるようになってきます。
- ① スラーで全部やってみる:まず、スラーで全部やってみることで、息をまっすぐ吹ける状態を作ります。息が基本的なので、とにかく息をまっすぐ吹けることを確認します。
- ② タンギングを入れてみる:スラーで息の流れを確認したら、タンギングを入れてみます。基本的には息が基本でそこに舌で切り込みを入れます。ロングトーンをしているところに舌で切り込みを入れるというイメージを持ちます。
- ③ 様々なアーティキュレーションと組み合わせる:タンギングもレガートにしてみる、スタッカートにしてみる、スラーにスタッカートを混ぜてやってみるなど、いろいろなアーティキュレーションとセットで練習します。
- ④ 発音「チュ」を基本形とする:「チュ」を基本形として、舌の先でストレスフリーに発音します。音の工程に合わせてシラブルが関わってきますので、母音がアだとチャ、エだとチェ、イだとチのように発音を調整します。
- ⑤ 息と舌のバランスを整える:息も舌も考えて吹けるようになってきます。全体的に平均的になることで、スムーズで美しいタンギングを実現できます。
トランペット演奏において、タンギングは音を止めるものではなく、息の流れに舌で切り込みを入れて音を区切る技術です。ロングトーンをしているところに舌で切り込みを入れるという正しいイメージを持つことで、スムーズで美しいタンギングが可能になります。発音は「チュ」を基本形とし、舌の先でストレスフリーに発音することで、余計な舌の動きを最小限に抑えます。タンギングの練習では、スラーなどの様々なアーティキュレーションとセットで練習することで、息と舌のバランスを整え、全体的に平均的になることで、息も舌も考えて吹けるようになってきます。この方法を実践することで、あなたのタンギングは劇的に改善され、スムーズで美しい演奏を実現できるでしょう。音を止めずに連続した息の流れを維持することが、タンギングを習得する鍵となります。